特集
LGBT
性別にとらわれず自分らしく生きるために、声を上げる人たちが増えています。当事者の思いや社会の課題を追います。
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公衆浴場「身体的特徴」で男女区別 「女性を守る」議連が法案骨子
2024/6/16 07:00 500文字自民党の「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」は13日、党本部で総会を開き、公衆浴場は「身体的な特徴」に基づき、男女で分けて利用することなどを定めた議員立法の骨子案をまとめた。議連は「女性の安全・安心を確保するため」としており、秋の臨時国会での法案提出を目指す。 公衆浴場
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トランスジェンダー「定義なし」なぜ閣議決定? 当事者にやまぬ攻撃
2024/6/16 07:00 2168文字性の多様性に関する国民の理解を進めることを目的とした「LGBT理解増進法」が成立してから16日で1年。岸田文雄政権がこの間、生まれた時の性別と性自認が一致しない「トランスジェンダー」について「確立した定義を有していない」とする答弁書を閣議決定したことは、意外と知られていない。なぜ、こうした閣議決定
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同性カップルの住民票続き柄欄、事実婚と同表記に 東京・世田谷
2024/6/11 18:28 485文字東京都世田谷区の保坂展人区長は11日、同性カップルの住民票の続き柄欄を男女の事実婚と同様に「夫(未届)」などと表記する方針を明らかにした。同日の区議会定例会の本会議で、上川あや区議(レインボー世田谷)の質問に答えた。 世田谷区は現在、パートナーシップ宣誓やファミリーシップ宣誓をしたカップルの続き柄
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違和感わからず「何度も切り落とそうと…」 広島で訴える反差別
2024/6/9 11:58 848文字◇反差別や反戦を訴える奥田圭(おくだ・けい)さん グレーの短髪にピンクのアイシャドー。赤いハイヒールと革ジャンを身にまとった姿からりりしさがあふれる。原爆ドームを背に「Stop Genocide in Gaza」と書かれたプラカードを掲げ、トランスジェンダーとして反差別や反戦を訴える。 「何度も切
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「心と体の性の不一致」では不正確 トランスジェンダーの多様な現実
2024/6/8 14:00 2906文字心の性と体の性が一致しない人。トランスジェンダーを説明するのによく使われてきたこの表現は、トランスの人たちが生きている現実を正確に表していない、と群馬大の高井ゆと里准教授は指摘する。 トランスジェンダーとはどのような人たちで、何に困り、どんな世界を望んでいるのか。 近年、SNS(ネット交流サービス
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スポーツ界の片隅で
性別理由に選手登録できず 積み重なる「もやもや」体験
2024/6/8 06:01 1842文字関東出身の中原大介さん(23)=仮名=は首都圏の大学で軟式野球部に所属する。「プロ野球がなければ生きていけない」と語るほどの巨人ファンでもある。野球は生活の一部なのだ。 そんな中原さんは物心がついた頃から自らの性別に違和感があった。戸籍上の性別は女性だったが、「女性であると感じたことは人生で一度も
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スポーツ界の片隅で
カミングアウトした元剣士 失われたもう一つの「自分らしさ」
2024/6/8 06:00 2495文字4月初め、見ごろの桜とともに新年度を迎えた。法政大スポーツ健康学部の新入生向けのオリエンテーションで、学部生を代表してあいさつに立った4年生の竹歳幸大(たけとし・こうた)さん(22)は自らをトランスジェンダーの女性だと紹介し、こう語り掛けた。 「後悔のない有意義な大学生活を送ってほしい。大学生活で
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ダムタイプ伝説作「S/N」出演 ブブさんの「らしさ」からの解放
2024/6/2 07:00 2719文字しんとした水底のような、親しい仲間たちの秘密のパーティーのような。今年、大阪・国立国際美術館のコレクション展で展示された美術作家ブブ・ド・ラ・マドレーヌさんの「人魚の領土―旗と内臓」(2022年)は、生きづらさを抱える人たちの解放をうたう作品だった。 「人魚」はクジラのような形をした、男でも女でも
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タイでLGBTQパレード 首相も参加、東南アジア初の同性婚法制化へ
2024/6/1 20:16 490文字東南アジアで初となる同性婚の法制化を目指すタイの首都バンコクで1日、LGBTQなど性的少数者らが連帯するパレードが行われた。6月の「プライド月間」に合わせて開催し、国内外からの参加者や沿道の人たちが虹色の旗やプラカードを手に盛り上がった。 タイの国会は婚姻を「男性と女性」の間に限定する現行法の改正
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韓国ソウル中心部でLGBTQパレード 広場は2年連続で使用許可出ず
2024/6/1 19:47 453文字ソウル市内で1日、LGBTQなど性的少数者の権利を訴えるパレードが開催された。参加者らは「多様な性のあり方を尊重しよう」などと記したプラカードを掲げながら、中心部の大通りを練り歩いた。 パレードはこれまで市内中心部のソウル広場をメイン会場に開催されてきたが、民間人や市議らで作る「開かれた広場運営市
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男性から性別変更、凍結精子 女性同士の子「認知を」 最高裁で弁論
2024/5/31 17:30 356文字性同一性障害特例法に基づいて男性から性別変更した40代女性が、凍結精子を使ってパートナーの30代女性との間にもうけた次女を認知できるかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は31日、当事者から意見を聞く弁論を開いた。次女側が「血縁上、親子である上に、当事者双方が認知に合意してい
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エルサレムでプライドパレード LGBTの人たちと人質の自由求める
2024/5/31 16:28 587文字性的少数者(LGBTなど)の権利や自由を訴える「プライドマーチ」が30日、エルサレムで行われ、数千人が参加した。パレスチナ自治区ガザ地区では、いまだ100人近くのイスラエル人らがイスラム組織ハマスの人質となっており、パレードの参加者は人質の早期解放も訴えた。 参加者たちは「自由になるために生まれて
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栃木・鹿沼市も実施へ 同性カップル住民票への「夫」「妻」表記
2024/5/29 19:42 642文字栃木県鹿沼市の佐藤信市長は29日、同性カップルの住民票について、男女の事実婚と同じ表記を可能にすると定例記者会見で発表した。同市は多様性を認め合うまちづくりを進めており、長崎県大村市など他県の先進事例を受け、7月1日から県内でいち早く取り組むことを決めた。現時点では社会保障など国の法律や制度に影響
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「前例のないことに励み」 住民票の続き柄「夫」記載の同性カップル
2024/5/28 20:58 1351文字「世帯主」「夫(未届)」と記載された住民票の写しを長崎県大村市から交付された同性カップルの松浦慶太さん(38)と藤山裕太郎さん(39)は28日、同市内で記者会見し、「事実婚関係が認められれば、法的なメリットを享受できる可能性がある。他の自治体でも同様の判断をしてほしい」などと期待を語った。 2人は
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男性カップル世帯住民票、続き柄欄に「夫」記載 長崎・大村
2024/5/27 23:05 1034文字長崎県大村市は今月、市内に住む男性カップルに対し、世帯主のパートナーの続き柄欄を「夫(未届)」と記載して住民票の写しを交付した。男女の事実婚のケースで使われる表記を、自治体が同性カップルに適用するのは異例。28日に記者会見した園田裕史市長は「続き柄は、自治体事務の中で記載できる」と述べた。一方で「
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同性婚が実現しないのはなぜ 「ふたりぱぱ」が子育て動画に託す願い
2024/5/25 11:00 3172文字北欧インテリアに囲まれた食卓に、幸せな空気が流れる。男の子が「トンカツもう1個食べてもいい?」と聞くと、2人の父親が一切れずつ息子の皿に分け与えた。 日本人男性「みっつん」さんがスウェーデン人の夫と子育てを発信するユーチューブチャンネル「ふたりぱぱ」が人気だ。何気ない日常だけでなく、代理母出産で生
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LGBTQの交流をイベントから日常に 「はこにじ」がオープン
2024/5/22 17:10 1185文字LGBTQなどの性的少数者が気軽に交流できるスペースが5月、北海道函館市に誕生した。「函館にじいろセンター(はこにじ)」だ。同性婚を認めていない現行制度に違憲判断を示した札幌高裁判決から2カ月余。イベントが多い関係者の交流を「日常」の一つにしたい--という原告の思いがつまっている。【金将来】 函館
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ソウルでLGBTQイベントの施設利用、不許可相次ぐ 保守派反発か
2024/5/21 13:00 848文字韓国・ソウルで6月1日に開催されるLGBTQなど性的少数者の権利を訴える「ソウルクィアパレード」を巡って、市内の広場や公共施設の使用を不許可とする決定が相次いでいる。昨年と同様の事態で、その背景には韓国の保守派の強い反発があるとみられる。 ソウルクィアパレードは2000年に始まり、15年以降は基本
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名古屋家裁、同性カップルの名字変更認める 「夫婦同様の婚姻に準じる」
2024/5/9 12:14 688文字名古屋家裁が今年3月、同性パートナーと暮らす愛知県内の男性に対し「夫婦同様の婚姻に準じる関係」として、パートナーと同じ名字への変更を認める決定を出していたことが判明した。代理人弁護士が9日、明らかにした。同種の事例で名字変更が認められるのは異例という。 弁護士によると、男性は愛知県内に住む30代の
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同性婚の外資系企業幹部が来日時のトラブルを経て語る「社会の損失」
2024/5/9 06:00 1645文字グローバル企業に勤めるオランダ人男性が、2021年1月に日本法人の人事最高責任者へ就任することが決まった。しかし、28年連れ添った同性パートナーには配偶者としての査証(ビザ)がすぐに発給されず、また新型コロナウイルスの影響もあり、来日は予定より1年以上遅れた。経験を通じて男性が感じた、結婚に際して
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