質問 |
bubuko 2024/04/28(Sun) 05:28
1年半ほど前に神経治療を行いました。
過去に一度虫歯治療を行なった歯で、何の痛みも無かったのですが定期検診で虫歯ということが分かり削っていったらギリギリ神経が出てしまい神経治療となりました。
症状としては、
・噛むと痛みや違和感がある
・時々浮いている感じ、疼く感じ、顎あたりががツンと痛む感じがある
治療して下さった先生は神経治療を得意とする先生で、レントゲンの写りでそう見える場合もあると言われました。
心配になって他院に行ったところ、神経2本とも膿があると言われました。
レントゲンだけで判断するのは難しいのかもしれませんが、膿はあるようにみえますでしょうか?
また、膿がある場合は経過観察、再治療のどちらがよいでしょうか?
ラバーダム、マイクロスコープを使う神経治療専門の先生にお願いしていただけにショックで夜も眠れず困っています。
宜しくお願いいたします。
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回答1 |
Dr.ふなちゃん 2024/04/29(Mon) 21:27
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船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
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こんにちは。
〉膿はあるようにみえますでしょうか?
ここでの診断は禁止事項です。
専門医であれば、デンタルではなくてCTも撮影したりしませんでしたか?
エンドモードのあるCTであれば被爆線量は低いですがかなりはっきり3次元で映ります。
歯の近遠心の歯槽骨レベルがかなり違う為、根管だけの問題ではないのかもしれませんからパノラマなど複数の情報から歯科医は診断するのでは?と思いました。
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回答2 |
井野泰伸 2024/04/30(Tue) 09:15
心配だとは思いますが、
>ラバーダム、マイクロスコープを使う神経治療専門の先生にお願いしていただけにショックで夜も眠れず困っています。
一般的な専門医の成功率で言えば細菌感染のほどんどない抜髄で90% 感染根管に関しては80%ぐらいと言われているので、専門医と言っても必ずうまく行く訳ではありませんのでね。
ただ、定期健診に行っていて神経を取る様な大きな虫歯を見つけれないというのは検診に行っていた意味がどの程度あるのか!?
なるべく治療を避けたい気持ちは分かりますが、症状が続くようであれば、再治療は検討された方がいいかもしれませんね。
腫れや膿が出る場合は、歯の中に入った細菌が体を攻撃している可能性が高いです。
個人的には1年半で今の状態なら、もう一度クラウンを外して再根管治療を検討しますけどね。
歯科の傾向として治療した先生は自分の処置に対して甘くなりますし、他の先生が見た場合は辛目の診断になることが多いです。
もし元の歯科医院での再治療を考えられるようでしたら、クラウンの保証期間があるかどうかまで聞かれておかれた方がいいと思いますよ。
おだいじに
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回答3 |
山田 豊和 2024/04/30(Tue) 09:46
おhくょうございます。
レントゲンを拝見したところ抜髄後一年半くらいたっているという事なのでいわゆる根尖病巣があるようだし、症状もあるので感染根管が考えられます。
このような場合は再治療をして治していくという方向になると思います。
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返信1 |
bubuko 2024/05/01(Wed) 11:51
回答ありがとうございます。
なぜかこのHPに入れずご返信が遅くなりました、申し訳ありません。
残念ながら、現状CTを撮ろうという話にはなっていません。CT自体あるのか不明です。
確認したところ、クラウンの保証期間は大丈夫でした。
担当の先生には、膿が溜まるとレントゲン上では今以上に黒く映ると言われました。
こちらの感覚としては、色は薄くても膿はかなり大きく見えます。レントゲンの写り具合でそう感じるだけなのでしょうか?
そして、実際開けてみて膿がなかったら申し訳ないと思うと中々強く言えません。
先生方も、今回のケースのように患者さんから不安だから積極的に治療したいと言われて治療したものの、何ともなかったら嫌な気持ちになりますよね。
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回答4 |
井野泰伸 2024/05/01(Wed) 14:34
患者さんに分かりやすく伝える為に「膿」と表現しますが、実際膿が出てくるケースは稀です。
レントゲンで見える丸い部分は骨が溶けてなくなった部分です。
そこには骨に変わって炎症性のお肉が存在します。
ですので、治療をやったから膿が出る・出ないは気にしなくていいですよ。
私の経験則ですが、
大きな病変の急性期には膿が出ることがありますが、病変が小さい時はあまり出てくるようなことはありません。
>先生方も、今回のケースのように患者さんから不安だから積極的に治療したいと言われて治療したものの、何ともなかったら嫌な気持ちになりますよね。
嫌な気持ちなどは考えなくていいですよ。
症状がなければ経過観察もありですが、症状が長く続くようだと悪化していく可能性が高いので、注意してください。
症状を散らす方法とし、抗生剤を飲む方法もありますが疲れた際などにまた症状が再発することがあります。
>担当の先生には、膿が溜まるとレントゲン上では今以上に黒く映ると言われました。
1年程度だとそこまで大きく病変は現れにくいです。
この部位はレントゲンに現れにくいので、CBCTなどで診査するもの1法です。
(皮質骨が分厚いので2Dのレントゲンでは病変が現れにくいです)
気になれば担当の先生と話し合ってみてください。
おだいじに
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返信2 |
bubuko 2024/05/02(Thu) 12:02
ありがとうございます。
膿が出るわけではないんですね、初めて知りました。
それでは、根っこが感染してしまい、再治療をし無菌状態になったという裏付け?はどのように得るのでしょうか?
無菌状態かを調べるお薬的なものがあるのか、先生の経験による感覚の問題なのかが気になります。
後者でしたら、今回治療をしても再度感染してしまうのでは?と少し不安です。
また、担当の先生は時間や回数をかけて丁寧に治療して下さいました。
ですので、私に問題があるのかとも考えました。(炎症を起こしやすい、菌を繁殖させやすい体質?)私生活で心当たりはないのですが、こういった体質のようなものは経験上あったりしますでしょうか?
CTを撮ればレントゲンより患部が鮮明に映るので炎症性のお肉があるかどうか分かるということですね。
CTを撮って欲しいとお願いしたことはないので、聞いてみようと思います。
質問が多くなってしまい申し訳ありませんが、ご回答いただけると助かります。よろしくお願いいたします。
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回答5 |
井野泰伸 2024/05/02(Thu) 13:32
>それでは、根っこが感染してしまい、再治療をし無菌状態になったという裏付け?
基本的に無菌は作れないです。
無菌状態を作りたければ、まず無菌室が必要です。
また、無菌グローブの使用、道具もかなり気を使った滅菌を行う必要があります。
後、歯の中に詰めるガッタパーチャーなどは滅菌できませんので最後の最後に細菌を中に入れてしまう恐れもあります。
(滅菌は出来ませんが、ガッタパーチャーは消毒はできます。)
ただ、ここまでしても口腔内は菌だらけなのですぐにまた感染する恐れは高いでしょうね。
(根管治療後の予後は土台と被せ物の精度のが大切になります)
基本的に人間は菌とウイルスと共存しています。
神経を取った歯には必ず菌はいます。
菌が繁殖して体に攻撃できない環境を作るのが今の根管治療です。
ひと昔、ふた昔は無菌根管治療などのワードがありましたが、今の時代こういう言い方はしなくなりました。
歯の中の菌はゼロにはならないことは分かっています。
今の考え方は歯の中の細菌を7割以上減らせれば治るという考え方が出てきています。
(つまり無菌というゴール設定では治療していません)
また丁寧に治療を行う先生は、根管内の細菌培養を行いますが、これも採取できた部分の菌の有無だけで、逆に言えば採取した菌数がゼロにならなくても根管充填は行っている現状があります。
一般的には根管内が綺麗になったと術者が判断した際にガッタパーチャーを詰めます。
ですから、根管充填の時期は術者の肌感覚での判断になります。
>また、担当の先生は時間や回数をかけて丁寧に治療して下さいました。
この辺りは先生毎に考え方は異なりますが、私は抜髄であれば1回で済ませたいと思っています。
もともと、抜髄時は神経管の中には菌は殆どいません、接着性のない仮蓋の封鎖性に私は疑問を持っているので1回で根管治療を終わらせて、接着性のある材料(レジン)ですぐに塞いだ方が細菌感染は防げる気がしているのでそうしています。
この辺りは先生の考え方の違いですが、1つ言いたいのは「何回も回数をかける=丁寧な治療」ではないと思います。
私は逆の考え方で、感染のリスクを減らす為には何度も治療はしない方がいいと考えます。
>ですので、私に問題があるのかとも考えました。
あまり、この辺りは考えなくていいと思いますが菌と体の攻防ですからある程度免疫が関与する部分はあるかもしれません。
おだいじに
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返信3 |
bubuko 2024/05/02(Thu) 14:36
何度も回答いただき、本当にありがとうございます。
とても説明が分かりやすく、疑問点が解消されました。
歯の中の細菌を7割以上減らせれば治るという考え方、「何回も回数をかける=丁寧な治療」とは限らない、など知らないことばかりで本当に勉強になります。
最後に一つだけ質問させて下さい。
他院で、2本ある歯根の右には膿がある。
左側はガッタパーチャーが歯根から突き出ており、こちらも感染がある。
左側は最初から感染の可能性が高かったという説明を受けました。
これは次にガッタパーチャーを詰める際、突き出さないようにすることは難しいのでしょうか?
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回答6 |
井野泰伸 2024/05/07(Tue) 09:45
>左側は最初から感染の可能性が高かったという説明を受けました。
術後のレントゲン1枚でこれは言えないと思いますよ。
最初にCBCTでも撮っていれば分かりますが、これはかなり曖昧な推測なのであまり信用しない方がいいでしょう。
>これは次にガッタパーチャーを詰める際、突き出さないようにすることは難しいのでしょうか?
出来ると思いますよ。
トレンド的には、ガッタパーチャーは歯の外に出すと成功率が下がるという報告もあるので、抜髄であればショート根充の方がベターです。
ただし今の状態は細菌感染した感染根管なので、根の先もそれなりに削る必要があるので、更にガッタパーチャーが外に出やすくはなります。
見えない所を治療しているので今回のようにガッタパーチャーが少し出てしまうこともよくあることです。
後、専門医と言っても私のような3流専門医から、歯内療法だけで生計を立てている専門医もおりピンキリなので、より歯を残したければ歯科医院の専門医より、歯内療法だけをやって開業している先生などに相談され治療を受けられた方が安心するかと思いますよ。
おだいじに
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返信4 |
bubuko 2024/05/07(Tue) 14:01
ありがとうございます。
ガッタパーチャーが出たために感染したのかと思ったのですが、関係なく、また出てしまうこともよくあることなのですね。
担当医には聞きにくいことが聞けて本当に助かりました。
3流専門医なんておっしゃらないで下さいー!
近くに住んでいたら井野先生に診ていただきたかったです。
長々とお付き合いいただき本当にありがとうございました、感謝しております。
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